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2022.8.25 フェリスグループ

創業記念日に感謝を込めて

弊社創業は昭和47年(1972年)8月20日。この年の流行語「未婚の母」に象徴されるように、家庭に縛られていた女性たちが社会的自立を模索しはじめた世相にあって、「サラリーマンの妻」であった私の母は、甲府市で義弟夫婦が繁盛させていた貸衣装店「甲府婚礼センタ―」(現マリアージュ)の諏訪営業所を担うカタチで商売への挑戦の一歩を踏み出しました。

私小6、妹小2の夏でした。

折しも父が勤務する電気部品製造会社が倒産。

その整理期間に持病を悪化させた父は長期入院後に退職して母の始めた商売を生業とし始めたのですが、その家計は子ども二人を学校に出すにも精一杯。

銀行借入もできない状態でした。

予期せず家主から持ち掛けられた店舗購入ための借入には、父の堅実さを信用して旧友の丸茂先生が保証人となってくださり、おかげで銀行取引というはじめの課題を乗り越えることができたのです。

それでも私が成人を迎えた年の暮には、現金も底をついて夫婦名義の生命保険はすべて解約し、経費の支払いに充てるという状態。父が亡くなったのはその翌年の1月でした。
父を失った母のダメージは数年間続きました。

それでも大学生と高校生の子どもを社会人に仕立てようと懸命に生きました。

その母を見守り、支え続けてくださったのが甲府マリアージュの叔父夫婦であり、兄弟姉妹、友人でした。当時母はわずかな貸衣装と拙い着付の技のほか何も持ってはいませんでしたけれど、苦境にあっても人を大切にしながら朗らかに生きようとする姿は人の心を動かしたのでしょう。

周囲が協力者となって人の絆を広げてくださいました。今の弊社はその闘いの結果です。

今、私たちはコロナ禍という非常時にあります。この非常時を越えて更なる価値を創造しゆくためには、苦境にありながらも「支えあう家族」「支えあう親族」「支えあう職場」であり続けるために自身の在り方を磨き、地域の方々への感謝に生きた創業者の歓びや苦悩に思いを馳せ、その気概を語りあうことがきっかけになるかもしれません。

今後も私たちは互いに磨きあいながら、更なる10年、20年に向けて「地域貢献できる集団たらむ」とする向上心を燃やしてゆきたいのです。

来春に向けて、皆さまへの感謝の思いをお伝えし、また事業継承の節目を作るため「創業50周年の記念事業」を計画しております。

今後ますますのご愛顧、ご支援、ご協力をお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。

ありがとうございます。

創業者 古屋文男 光 結婚の年    昭和34年1月 甲府舞鶴城にて

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